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「原点回帰」- パンデミックの向こう側

賃貸契約切れによる墨田区太平道場からの退去から始まった苦悩の7か月、場所も時間も制限だらけの宿無し「NOMAD道場」に終止符を打ったのは、2021年12月に突如現れた旧道場と同じ墨田区、錦糸町の新物件との出会いだった。
それは、かつてのマックス柔術アカデミー&ヨガスタジオから生まれ変わる「シン・マックスジウジツアカデミー&ヨガスタジオ」の始まりなのであった。

 


2020年初頭から文字通り世界中を飲み込んでいくコロナパンデミックはその間にいくつかの波を繰り返し、社会と感染症の相関関係のフェーズは毎回変わっていった。
そして繰り返される感染流行の波と共に、増えることはなく徐々に減少してゆく会員数。もはや会費収入による道場運営は採算が取れないことが明白な状況の中、都内繁華街の1つ、錦糸町で30数坪強の賃貸契約(¥¥¥¥¥!)を結ぶという決断には言わずもがな相当の覚悟が必要だった。
しかし、NOMAD道場への移行が迫る目前に在籍を続ける選択をしてくれた全メンバーに向けて発信したYOUTUBE動画にてMaxははっきりとこう言っていた。(2021/2/6、MAXJJメンバーonlyで公開、いずれ一般公開も予定)

「この日までコロナの影響が残る厳しい練習環境の中でも道場のメンバーとして継続を選択してくれた皆さん、どうもありがとう。不覚にも一度はこの愛する道場とマットを失い、実体は宿なしのNOMAD道場としてその名をつなぐことになってしまうけれど、マックス柔術アカデミー&ヨガスタジオは、コロナの終焉を見据え必ず立ち上がる!」と。

 


2021年4月1日。創立から18年目のマックス柔術アカデミー&ヨガスタジオ。翌5月には52歳となるMaxは3人の子を育む親として、コロナによる事業不振を理由に廃業し、新たな事業、あるいは職業にチャレンジをすることも十分に考えざるを得ない苦境だった。
しかし、そこまでの18年で作り上げてきた道場は、完璧ではなかったものの、それでも18年もの長きにわたり、事業としても団体としても生き伸びることが出来たのは事実だし、その中で生みだされたグレイシー柔術仕込みのビギナーに寄り添うカリキュラムや運営方法、柔術哲学、そして会員の皆さんを始め数多くの方々との間に紡がれたコネクションは、そのまま放棄してしまうにはあまりにもったいない!
何より自分の手で根性入れて、一から愛情を込めて作り上げてきた道場だ!


厳しい事業環境の中、以前と変わらぬ錦糸町の旧道場からほんの数分の場所に新物件が奇跡的に現れ、間を置かず賃貸契約をする覚悟に至った2021年末はコロナ第5波の終焉と重なり、同時に翌22年始から第6波への突入目前にあることは明らかな時期だった。

 

しかしパンデミックはそこまでの2年弱に渡る社会的・経済的閉塞感、抑圧感に辟易し誰もが抜け出したいという機運が高まっていたのは明らかであり、コロナの病原性もそこまでの知見からみれば理不尽に誰もが死に至る恐怖の病ではなくなってきており、特に墨田区は行政の見事なパフォーマンスのおかげで国内各所で問題となっていた医療崩壊は一度も起こることなく重症者への手厚い医療提供が途切れずなされた非常に安心出来る環境であったことも忘れてはならない。
ニュース、メディアでもいよいよ年明けには治療薬も市販されるという情報を発信していた。

つまりこの波の後には、もう一度濃厚接触をするのが当たり前のかつてと同じ柔術の練習が出来るようになるだろう、と判断した。それはそこから3か月、半年、一年後、あるいは再び元には戻らないかも知れない。けれども、絶望ではなく希望が見えたということ。

 

「マックス柔術アカデミー&ヨガスタジオは、コロナの終焉を見据え必ず立ち上がる!」という宣言は、NOMAD道場突入前にはおぼろげではあったが確実に心に描いていた決意。
NOMAD道場として苦しい日々を7か月続けてきた2021年の年末、いよいよコロナの暗闇から抜け出しアフターコロナの新時代に突入することが現実として視野に入ってきた時、つまり大いなる転換を心に決めた時、Youtubeでの宣言当時はメンバー向けに威勢を張ったと言っても嘘ではないが、不確実でおぼろげだった決意をいよいよ本当に実行する必要が生まれていた。

 


それは、自分の柔術体験のオリジンである「グレイシー柔術」、ホイス・グレイシー師匠の元への回帰だ。

 

 

続く

 

MAX JIU-JITSU ACADEMY & YOGA STUDIO

Max Masuzawa